ちょっと気になる症状
1)口臭
2)成長痛
3)夜泣き
4)みずいぼ
5)指しゃぶり
6)へそのごま
1)口臭
口の中は新陳代謝が盛んで、常に細胞が捨てられており、また食物残差もあり、たんぱく質が豊富にあります。口に生息する菌がたんぱく質を分解し、それが口臭のもととなります。唾液分泌の少ない起床後の口臭は、生理的なものが多いです。幼児や学童に病的な口臭が見られるのは、歯肉に炎症があったり、虫歯によることが多いです。その他、歯列不正があり口の清掃が十分行われず、食物残差や歯垢があると口臭の原因となります。食後は虫歯予防からも歯磨きが大切です。
2)成長痛
@3〜7歳に集中している。A急に痛いと言って大騒ぎをするが、翌日は何もなかったかのようにしている。Bおもに夕方から夜間にかけて痛みを訴える。C同じようなことを繰り返すことが多い。D痛む部位を正確に表現できない。
以上のような特徴が成長痛には見られ、痛みの程度が強く経過が長い割には腫れ、圧痛、曲げられないなどの症状がみられません。子供の骨や関節は柔らかく、骨を包む骨膜が厚いために激しい運動をした日の夜などはある程度の痛みが起こるのは自然なことです。しかし、成長痛は運動量に関係なく、不定期に急に下肢の疼痛をきたす特徴があります。ただ考えられるすべての疾患が除かれて初めて使われる病名ですので、安易に成長痛と決めつけてしまうと重要な疾患をも逃すことになりますので注意が必要です。
3)夜泣き
生後半年頃になると、規則的に訪れるレム睡眠(最も深い睡眠状態であるが、脳波は覚醒期と同様の振幅を示す睡眠状態)に目覚めて泣くことがあります。その原因として空腹や排泄、厚着、昼間のかまい過ぎなどがありますが、いろいろなことをしても泣きやまないことがあります。
夜泣きは睡眠生理の発達の問題でこれをなおす妙薬はありません。あかちゃんが泣いたらそばにいって、おかあさんはここにいますよと安心させてあげてください。夜泣きがおさまって、胸の中で胸の中でスヤスヤ眠っているのを見たとき、「母親」を感じると思います。
4)みずいぼ
乳幼児に好発する皮膚のウィルス感染症です。体幹、四肢などどこにでもできます。つぶすと白い物質が排出され、この接触で次々にうつります。治療法は基本的には摘まんでつぶすことですが、疼痛を伴います。多数のみずいぼができると自然になくなりますが、すぐには消えません。掻いてつぶしてしまうと拡がるので、すくないうちにとるのもいいかもしれません。そのままとると痛いので、麻酔のテープがあります。みずいぼに密着するように貼って1時間後ぐらいにとります。こうすれば痛みなくとれます。はと麦茶が抑える効果があります。
5)指しゃぶり
歯が生えて歯並びがつくられて間もない時期は、弱い持続的な力が歯に加わると、歯は移動しやすい。2歳児で18%、3歳児で31%にみられ、その後年齢とともに減ります。指しゃぶりによって起こる咬み合わせの異常は上の歯と下の歯が咬み合わない異常で、発音、咀嚼に影響を及ぼします。3歳半ごろまでの指しゃぶりは、永久歯に交換した場合には正常な歯並びになることが多いのですが、4歳以上になると骨格にも影響を及ぼし、歯並びの異常が見られることがありますので要注意です。
6)へそのごま
へそのごまをとるとお腹が痛くなるという古くからの言い伝えがあります。腹膜が近いため細菌感染により腹膜炎になるという心配から子供がへそをいじるのを戒めたものと思われます。汚い手でいじるのは避けるべきであり、水虫に触れた手から感染したへその白癬をみることもあります。しかし、現在では重篤な感染症を起こすことはほとんどありません。こびりついた垢は無理に取ろうとすると皮膚に傷をつけてしまい、炎症を起こすこともあります。あらかじめオリーブ油で柔らかくし、石鹸で洗い十分に濯いでから水気をとり乾燥させてください。